【タテヨコ物語】

タテにも( ↑ )、ヨコにも(→)、物語を展開するブログです!(特に映画のロケ地は出来る限り調べて書いています。)

「マスカレード・ホテル」MASQUERADE HOTEL/東野圭吾の「マスカレード」シリーズ第1作目

お客様に対する超一流ホテルの責任感まで伝わってくるミステリー

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ジャンル:ミステリー、ヒューマンドラマ

製作国:日本

時間:133分

国内興行収入約46億4000万円

 

勝手に評価(10段階)

★★★★★★★☆☆☆(7)

こんなホテルに泊まりたいと思えるから観てみて!

※映画は鑑賞した皆様の評価が違うのは当然です。皆様の感性で、お楽しみください。

 

 「マスカレード」シリーズは東野圭吾推理小説シリーズ物の中でも比較的新しく書かれた作品です。

 「マスカレード」“masquerade”とは「仮面舞踏会、見せかけ、変装する」と言う意味。超一流ホテルに来るお客様は誰もが仮面を被っていて全員が容疑者となる。ミステリー映画として誰が真犯人なのか最後まで楽しめる映画です。

 

 

「マスカレード・ホテル」の主な登場人物/キャスト

新田浩介/木村拓哉

 

 

 警視庁・捜査一課の警部補。帰国子女として英語が出来ることから潜入捜査官としてはフロントスタッフに扮する。言葉遣いが悪く謙虚さに欠ける一面もあるが正義感や責任感は強い性格。

山岸尚美/長澤まさみ

 

 

 ホテル コルテシア東京のフロントクラーク。大学受験の際にホテル コルテシア東京に宿泊し従業員のプロ意識に感動してホテルウーマンの仕事に就く。とても生真面目な性格であるため当初は新田と対立するが徐々に認めていくようになる。

稲垣/渡部篤郎

 

 

 新田の上司で警視庁・捜査一課係長。新田に対しては好き勝手させないようにコントロールしながらも信頼を置いている。

能勢/小日向文世

 

 

 過去に新田の相棒をしていた所轄の刑事。印象は愚鈍だが捜査に関しては切れ者である。

藤木/石橋凌

 

 

 ホテル コルテシア東京の総支配人。温厚な人柄で尚美の仕事ぶりを見守っている。

川本/石川恋

 

 

 ホテル コルテシア東京の若手のフロントクラーク。

松たか子前田敦子笹野高史、髙嶋政宏、菜々緒宇梶剛士、橋本マナミ、田口浩正勝地涼生瀬勝久濱田岳泉澤祐希篠井英介梶原善、東根作寿英、明石家さんま鶴見辰吾、他

 

「マスカレード・ホテル」の始まり

 犯行を予告する暗号は超一流ホテルのホテル コルテシア東京の位置を示している。

 新田を除く警視庁・捜査一課のメンバーがホテル コルテシア東京に乗り込んでくる。都内では3件の犯行予告連続殺人事件が発生していた。4件目の殺人は間違いなく予告されたホテル コルテシア東京で起こると断定したからだ。そして鋭い眼光をした新田は独り遅れてホテル コルテシア東京に到着する。警視庁・捜査一課の目的は殺人を未然に防ぎ犯人を逮捕する手段としてホテルスタッフに扮し潜入捜査を行うことだった。

 潜入捜査について警視庁・捜査一課の刑事たちにも、ホテル コルテシア東京のスタッフたちにも説明がされた。そして潜入捜査のために刑事とスタッフの顔合わせが行われ、新田と尚美がフロントクラークとしてコンビを組むことになった。

 ホテル コルテシア東京を舞台に、犯人は誰なのか、被害者は誰になるのか、ふたりのマスカレードが始まる。

 

◆予告編(YouTube

◆インターネットで鑑賞(amazon prime video)

 

◆ディスクで鑑賞(Blu-ray

 

※ディスクでは通常版Blu-rayはなく、豪華版DVDと通常版DVDがあります。

 

「マスカレード・ホテル」は木村拓哉をイメージして書かれたミステリー!~初の刑事役~

 数多くの木村拓哉が出演している作品の中で「マスカレード・ホテル」が初の刑事役だったとは意外でした。映画でいえば「HERO」も「検察側の罪人」も検事役でした。

 原作者の東野圭吾が明かしている様に木村拓哉をイメージして書かれたのだから映画でも新田役は木村拓哉のはまり役になっても当然かもしれません。

 長澤まさみとの共演も絶妙でした。お互いの立場が仕事上ともなれば対立することや理解することも発生します。ふたりの役柄は私たちが仕事をする上で学ぶべきものだと感じることも出来ました。

 東野圭吾が描き出す物語は、ただ主人公が活躍した、事件が解決したというものではなく人間そのものにフォーカスし加害者であっても心に抱くであろう奥底の心理まで繊細に描かれてあり共感を覚えます。急いでいるのに相手の対応が遅かったら、相手の軽はずみな行動で夢を打ち砕かれたら、相手を愛し妊娠までしたのに逃げられたら、夫に浮気をされてしまったら、その人の気持ちとしては本当に相手を許すことが出来るのでしょうか。それが相手に復讐する行動に繋がるのはいけないと分かっていても観る者が気持ちを察することは必要ではないかと考えてしまいます。光の当たる場所と陰になってしまう場所が存在する様に。

 この映画の描写は群像劇(グランドホテル方式)と言っても過言ではありません。超一流ホテルのロビーで、お客様と呼ばれる人々が起こす様々な出来事。まるで舞台劇を鑑賞している感じです。ホテル コルテシア東京のロビーが映画撮影用のセットだったのも驚きでした。

 推理小説としての「マスカレード」シリーズは現時点で3作品が出版されています。是非、次回作も製作して欲しいと望んでいます。

 ミステリーとして最後に描かれる犯人の動機、そして人としての怒りや憎しみ、責任感や正義感を誠意ある形で物語にした映画でした。

 

 

「マスカレード・ホテル」の一言台詞

「どうして私たちが、お客様の出発の際に「お気をつけて、いってらっしゃいませ」って言うか分かりますか」

「お客様がホテルの外に出られたら私たちは無力だからです」

「あとは幸運を祈ることしか出来ないんです」

 

「マスカレード・ホテル」の補足情報

【ロケ地】~コルテシア(CORTESIA)はイタリア語~ 

ロイヤルパークホテル:東京都中央区日本橋蛎殻町(かきがらちょう)

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 原作者の東野圭吾は編集者との打ち合わせでロイヤルパークホテルを利用するそうです。ホテル コルテシア東京の外観は別のロケ地が使われていますが、ロイヤルパークホテルは様々なシーンで撮影がされています。

 原作者からロイヤルパークホテル開業三十周年に際して寄稿がありましたので一部分を紹介します。

 『マスカレード・ホテル』執筆の際には、何度か宿泊施設も利用させていただきました。作品中に出てくる「お客様がルールブック」という言葉は、その時に受けたサービスから感じ取ったものです。 

 今後も公私で利用させていただくつもりです。

 益々の御発展を祈念しております。     東野圭吾

 ホテル コルテシア東京の“CORTESIA”はイタリア語で「礼儀、親切」という意味です。映画でも記憶に残る超一流ホテルとして徹底したサービスが描かれています。

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 新田と能勢が容疑者X4(エックス・ヨン)について仮説を話し合うシーンにロイヤルパークホテルの宴会場が使われています。

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 ホテル コルテシア東京の客室フロアの廊下はロイヤルパークホテルが使われています。新田が走るシーンは印象的でした。

 原作のモデルになった所に宿泊するのも物語を更に楽しめます。

※上記ホテルの宿泊プランなど詳細は【一休.com】で御確認ください。

 

高輪プリンセスガルデン:東京都港区・高輪

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 警視庁・捜査一課の刑事たちとホテル コルテシア東京のスタッフたちが顔合わせをするシーン。高輪プリンセスガルデンのコンサートホールが使われています。

 ステージはドイツの森から樹齢150年の無垢材が使われています。高輪プリンセスガルデンは中世ヨーロッパ風の街並みを想わせる石畳の中庭や趣のある洋館が伝統的なヨーロッパの雰囲気を再現しています。

※スポット情報を御確認ください。

 敷地内にはフレンチレストランのレストラン フェメゾン“RESTAURANT fait maison”もあり大切な人との記念日としても楽しめます。

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※上記レストランのメニュープランなど詳細は【一休.com】で御確認ください。こちらのレストランは「マスカレード・ホテル」のロケ地ではありません。

 

中国料理 皇家龍鳳東京都新宿区・早稲田

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 ホテル コルテシア東京のレストラン。新田と尚美がワインで乾杯するシーンなどで使われています。映画の設定ではイタリアンレストランになっていますが、実はリーガロイヤルホテル東京のチャイニーズレストラン「中国料理 皇家龍鳳」がロケ地となっていました。

※上記レストランのメニュープランなど詳細は【一休.com】で御確認ください。

 

アンフェリシオン:東京都江東区・亀戸

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 新田と能勢が犯罪のトリックについて話し合うシーン。アンフェリシオンは結婚式場で様々なテレビドラマやCMの撮影で使用されています。

※上記結婚式場のウェディングプランなど詳細は【ハナユメ】で御確認ください。

 

ザ コンチネンタル横浜:神奈川県横浜市中区山下町・日本大通り

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 回転ドアが印象的なホテル コルテシア東京の外観モデルとなった結婚式場。映画ではCG合成されている。実際の撮影では雨に打たれる松たか子の出演シーンで使用されています。

※上記結婚式場のウェディングプランなど詳細は【ハナユメ】で御確認ください。

 

東宝スタジオ:東京都世田谷区・成城

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 ホテル コルテシア東京のロビーはスタジオセットで撮影されました。東宝スタジオは日本最大級のスタジオが有り、映画では400坪、畳でいうと800畳のセットが組まれた。

URLhttps://www.tohostudio.jp/

 

【音楽】~日本アカデミー賞・音楽賞の受賞歴もある作曲家~

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※ストリーミングもあります。

 音楽は東京音楽大学・作曲科を卒業し母校の客員教授でもある佐藤直紀が担当。現時点で4作品が日本アカデミー賞で受賞およびノミネートされています。

 

第29回日本アカデミー賞・音楽賞受賞:「ALWAYS 三丁目の夕日

第31回日本アカデミー賞・音楽賞ノミネート:「ALWAYS 続・三丁目の夕日

第38回日本アカデミー賞・音楽賞ノミネート:「永遠の0」

第40回日本アカデミー賞・音楽賞ノミネート:「海賊とよばれた男

 

◆インターネットで鑑賞(amazon prime video)

 

◆インターネットで鑑賞(amazon prime video)

 

◆ディスクで鑑賞(Blu-ray

 

※三作品には個々にBlu-rayとDVDもあります。

◆ディスクで鑑賞(Blu-ray

 

※ディスクでは豪華版のBlu-rayとDVD、通常版DVDもあります。

◆ディスクで鑑賞(Blu-ray

 

※ディスクでは完全生産限定盤のBlu-rayとDVD、通常版DVDもあります。

 

【演劇】~宝塚歌劇団でも舞台化~

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 宝塚歌劇団では所轄の刑事・能勢の設定が少し変更になり舞台化されました。映画の終わり方がファンタジックだったのは宝塚歌劇団での舞台化を意識してのことだったのでしょうか。映画も群像劇ではあるので宝塚歌劇団との違いを見比べてみるのも面白いかもしれません。

 

◆ディスクで鑑賞(Blu-ray

 

 

【ファッション】~ホテルなので基本は制服~

BEATRICE(ベアトリス)

 自分を磨く向上心、おしゃれを楽しむ遊び心、そんな自由な思考とライフスタイルを持った大人の女性の為のブランド。

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URL:https://www.fsf.co.jp/brands/beatrice.html

 

Fabulous Angela(ファビュラス アンジェラ)

 大人な働く女性へ向けてのコンテンポラリーエレガンススタイル。年令にみあったきちんと感を大切にしながらいくつになっても女性らしく輝きたい!女性として見られたい!そんな女性のためのワードロープの提案をするブランド。

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URLhttps://ailand-store.jp/fabulous-ang/

 

MISCH MASCH(ミッシュ マッシュ)

 大人可愛いエレガンスカジュアルブランド。

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Rakuten Fashion 【MISCH MASCH】

 

※エンドロールから気になるブランドを選んで掲載をしました。【楽天市場】に公式オンラインショップが有る場合はロゴの下にリンクを貼り、無い場合はロゴの下にホームページのURLを記載する様に致しました。

 

「マスカレード・ホテル」のネタバレ

ネタバレを含みますのでご注意ください。

 豪華な出演者たちによる「犯人は、この中にいる。」とのキャッチコピーでしたが、宿泊客たちの中で主にエピソードとして描かれているのは3人だけでした。新田に対してだけ執拗にクレームを言う栗原健治(生瀬勝久)、盲目の老婆である片桐瑶子(松たか子)、ストーカーの問題を持ち込む安野絵里子(菜々緒)。

 その中で怪しい行動パターンから犯人捜しをすると本当は目が見えているのに視覚障害者を装っている片桐瑤子になってしまいます。視覚障害があるのに手袋をしているのも怪しいと新田に疑われてしまいます。そして片桐瑤子と言う名前さえ偽名で、本名は長倉麻貴でした。

 長倉麻貴が殺すために狙った相手は尚美でした。そこに刑事である新田が助けに来て殺人は未然に終わる。

 しかし、長倉麻貴の殺人に至る動機を考えるといたたまれない気持ちにもなります。愛する男の子供を妊娠して、責任を取るつもりの無い男に逃げられ、その男が宿泊しているホテルのフロント係からも追い払われ、挙げ句の果ては流産してしまう。これで許せと言う方が難しい気もしてしまいます。でも、その様な状況の女性を犯人として設定する原作者の優しさも感じます。

 ラストは新田の目にはホテル コルテシア東京のロビーが仮面舞踏会の様に見えてしまいファンタジックな演出となります。そして、ふたりは幸せを予感させる様にワインで乾杯し事件の解決を喜び合います。物語の感じ方によっては何とも不条理に思えてしまうかもしれません。

 「マスカレード・ホテル」はエンドクレジットまで驚きを与えてくれました。明石家さんま(友情出演)。どのシーンに出演したのか疑問が残ります。フロントでチェックインをしているお客様の大竹役。エンドクレジットと同じタイミングで演じていたので見つけ易いと思います。友情出演1つとっても優しさを感じることが出来ました。

 犯罪として語るだけでなく、人が心に持つ憎悪や感謝、自尊心や猜疑心、人に対する気遣い、お互いの立場を認め合うことの大切さも同時に教えてくれます。

 そんな感想を言える物語でした。

 

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原作:東野圭吾

脚本:岡田道尚

監督:鈴木雅之

 

©2019 フジテレビジョン集英社ジェイ・ストーム東宝

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 ここまで読んで頂き有難う御座いました。

 素敵な映画時間を、お過ごし下さい。