「幸せの教室」LARRY CROWNE/トム・ハンクスとジュリア・ロバーツの共演
自分を幸せにできるのは行動力と笑顔、そして出会いだと教えてくれる
ジャンル:ラブロマンス、サクセスストーリー
製作国:アメリカ
時間:98分
国内興行収入:約4億5000万円
勝手に評価(10段階)
★★★★★★☆☆☆☆(6)
➡明るい気持ちで新たな一歩と思えるから観てみて!
※映画は鑑賞した皆様の評価が違うのは当然です。皆様の感性で、お楽しみください。
トム・ハンクスが監督、脚本、製作、そして主演を務め、共演にジュリア・ロバーツを迎えた大人のラブストーリー。
不景気という逆境を挑戦する勇気と優しい愛情で未来を切り拓く必要性を示してくれる映画です。
「幸せの教室」の主な登場人物/キャスト
ラリー・クラウン/トム・ハンクス
Uマート(ディスカウントストア)に勤務していたが不景気の煽りから学歴を理由に解雇される。転職活動も行うが転職先は見つからず、近所に住むラマーの勧めでコミュニティ・カレッジに通うことになる。
コミュニティ・カレッジの教授。夫とは常に喧嘩になり結婚生活の破綻から酒を飲んでいる。授業に対しても学生が少ないとの理由から情熱を失いかけている。
タリア/ググ・バサ=ロー
コミュニティ・カレッジの同級生。年の離れたラリーとも意気投合しラリーを精神的にも支えている。コミュニティ・カレッジを中退し自分の店を開く。
ラマー/セドリック・ジ・エンターテイナー
ラリーの家の向かいでガレージセールの店を経営している店主。ラリーにコミュニティ・カレッジへの進学を勧め、格安でスクーターを譲って入学の後押しをしてくれた。
ディーン・テイノー/ブライアン・クランストン
メルセデスの夫
ベラ/タラジ・P・ヘンソン
ラマーの妻
デル・ゴード/ウィルマー・バルデラマ
タリアの恋人
コミュニティ・カレッジの教授
コミュニティ・カレッジの同級生
他
「幸せの教室」の始まり
舞台はロサンゼルス近郊。Uマートに勤務するラリーは楽しそうに仕事をしている。そこに店内放送でバックヤードに来るように呼び出しがかかる。話の内容はUマートの業績不振によるラリーに対する解雇通告だった。解雇理由は大卒ではないラリーは社内で出世が出来ないからというもの。早速、ラリーは転職活動をするが、どこも不景気のため採用してもらえない。
ラリーは住宅ローンを抱えているため家財道具を売りに出そうとする。そこにラリーの家の向かいでガレージセールを営んでいるラマーが営業妨害だと言い掛かりをつけてくる。ラリーは失業状態にいることを伝えるとラマーはコミュニティ・カレッジへ通うことを勧めてくれた。そしてラリーは学生部長の説明を聞きコミュニティ・カレッジに入学した。
◆予告編(YouTube)
◆インターネットで鑑賞(amazon prime video)
※吹替版のみになります。
◆ディスクで鑑賞(Blu-ray)
※ディスクではDVDもあります。
「幸せの教室」は大人の恋愛話だけではない!~中年男性へのエール~
特に日本社会だと起こり得る事情だと思いますが、中年になって失業してしまうと余程のキャリアの持ち主でない限り本人が望む形での再就職は難しい。仕事への遣り甲斐や職場の人間関係、そして年収までもが前職と同じ様になることは殆ど無いのが現状だと思います。更に日本だと救いを求める場所すら無く失業した時の絶望感は本人にしか分からない。もしも、皆様の中の誰かが同じ様な状況になってしまった時には観て欲しい映画です。
アメリカのコミュニティ・カレッジは公立の教育機関として約1200校以上が存在する。学生の比率は64%が24歳以下、19%が25歳から34歳まで、14%が35歳から54歳までで在籍している。セカンド・チャンスを掴むために中年男性が十分に学べる環境が整っている。日本には無いアメリカ社会の懐の深さを感じられる教育システムだと思います。日本にも学び直しのコミュニティ・カレッジが拡がって欲しいと願います。
ラリーはリストラに遭い逆境に立たされたが気持ちは前向きで、リストラの際の解雇理由を克服しようとコミュニティ・カレッジに入学する。中年で失業してしまうと絶望感から何もやる気が湧かないところを学び直す気持ちを持っている。本来だと年齢の離れた若者と友達になることなんて有り得ないのに仲良くもなれる。そして友達の1人が恋のキューピット役にもなってくれる。ご近所さんが様々な面で協力してくれたりもする。それは物語ならではの設定なのかもしれないし、全てが上手く行きすぎる感じさえあります。
でも考えてみるとラリーの前向きで誠実な性格が人を惹き付けています。それが出来れば、きっと幸せは掴める筈だと信じさせてくれます。
映画の原題が“LARRY CROWNE”となっているところもラリーの人生そのもので中年男性に対するエールだと感じてしまう。
トム・ハンクスとジュリア・ロバーツの共演、映画の邦題からも想像すると大人の恋愛話になるのですが、それと共に中年で失業した時に生きる勇気を与えてくれる映画でした。
「幸せの教室」の補足情報
【音楽】~映画を盛り上げる名曲ロック~
Electric Light Orchestra:Hold On Tight(ホールド・オン・タイト)
映画のオープニング曲。エレクトリック・ライト・オーケストラ(Electric Light Orchestra)はイギリスのロックバンド。歌詞の“Hold on tight to your dream”「あなたの夢をしっかり掴め」が映画のテーマに合っています。“Hold On Tight”は「THE VERY BEST OF ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA ALL OVER THE WORLD(ザ・ベリー・ベスト・オブ・エレクトリック・ライト・オーケストラ オール・オーバー・ザ・ワールド)」に収録されています。
※ストリーミングとLPレコードもあります。
Tom Petty & The Heartbreakers:Runnin' Down A Dream(ランニン・ダウン・ア・ドリーム)
学生たちがスクーターでフランクのレストランまで走るシーンの挿入歌。トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ(Tom Petty & The Heartbreakers)はアメリカのロックバンド。トム・ペティは2017年に66歳の若さで死去されています。“Runnin' Down A Dream”はベストアルバム「THE BEST OF EVERYTHING - THE DEFINITIVE CAREER SPANNING HITS COLLECTION 1976-2016 (ザ・ベスト・オブ・エヴリシング ザ・ディフィニティブ・キャリア・スパニング・ヒッツ・コレクション1976 - 2016」に収録されています。
Tom Petty & The Heartbreakers:Walls(ウォールズ)
ラリーが引っ越しをするシーンの挿入歌。上記と同じくトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズです。“'Cause you got a heart so big”「あなたはとても大きな愛情を手に入れたのだから」新しい旅立ちにピッタリの曲です。“Walls”もベストアルバム「THE BEST OF EVERYTHING - THE DEFINITIVE CAREER SPANNING HITS COLLECTION 1976-2016 」に収録されています。
Electric Light Orchestra:Callig America(コーリング・アメリカ)
映画のエンディング曲。エレクトリック・ライト・オーケストラで始まり、エレクトリック・ライト・オーケストラで終わる選曲は素敵です。“Callig America”は「THE VERY BEST OF ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA VOLUME 2 TICKET TO THE MOON(ザ・ベリー・ベスト・オブ・エレクトリック・ライト・オーケストラ・ボリューム・ツー チケット・トゥ・ザ・ムーン」に収録されています。
【スクーター】~メイド・イン・ジャパン~
映画の中でトム・ハンクス演じるラリーが乗っていた大型スクーターはヤマハ・シグナス180です。1982年から発売され日本ではCYGNUS XC180として、アメリカではCYGNUS RIVA180として市場に出されました。「シグナス(CYGNUS)」の意味は「白鳥座」です。
当時のオートバイ市場はHY戦争(本田技研工業(株)とヤマハ発動機(株)との販売競争)と呼ばれ次々に行われる新車開発の中でシグナス180も世に送り出された。それまでのスクーターは短距離移動が主な用途だったが、高速道路も走行ができる大型スクーターとして長距離移動やツーリングも可能にした。しかしエンジン関連に弱点があり販売台数も伸びずマイナーチェンジがされることなく一代限りでカタログ落ちした。
1979年頃から1983年頃まで続いたHY戦争もアメリカ市場の低迷もありヤマハの敗北宣言で終結しました。
ヤマハ・シグナス180のカタログは大人の落ち着いたイメージで「都会を捨てたくない。自然を忘れたくない。シグナス」とのキャッチコピーで販売されていました。
2人乗りできるスクーターなんて本当に格好良いですね。そしてハリウッドスターが自作の映画で日本製を採用してくれてメイド・イン・ジャパンに誇りを感じます。
「幸せの教室」のネタバレ
ネタバレを含みますのでご注意ください。
ラブロマンスは、おおよそ結末が分かってしまうという感想もあるかもしれません。確かにその通りですが、この物語は失業した中年男性のサクセスストーリーとして観るのも楽しめるように感じます。
メルセデスは夫と食事に出掛け帰宅途中の車の中で大喧嘩をして車から降ります。バス停で途方に暮れているところにラリーが偶然にスクーターで通りかかりメルセデスとスクーターを2人乗りし家まで送り届けます。そして酔った勢いも手伝いラリーとメルセデスは玄関先でキスをします。しかし、大人同士とはいえ教授と学生、ふたりは一旦距離をおきます。メルセデスも夫と別れる決意を固めていきます。
ラリーはコミュニティ・カレッジの同級生達にも手伝ってもらい住んでいる家を手放しアパートへと引っ越す。
メルセデスがコミュニティ・カレッジの自分の部屋に来るとラリーの新しい住所が書かれたメッセージカードが扉の物入れに入っていた。
新生活を始めたラリーのもとにメルセデスが訪ねて来て、ふたりは幸せそうにラリーの部屋へと入っていきました。
映画ではラリーがメルセデスの授業で感動的なスピーチを発表するシーンもあります。しかし、そこに至るまでの苦悩や葛藤は余り描かれずに物語が進んでしまった印象があり少し残念ではありました。
でも純粋に将来を見失いかけた時に、きっと挑戦する勇気、幸せを掴むための気持ちをもらうことができます。
そんな感想を言える物語でした。
脚本:トム・ハンクス、ニア・ヴァルダロス
監督:トム・ハンクス
©2011 Vendōme International, LLC.
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
※全ての画像は上記企業および引用元に帰属しています。
ここまで読んで頂き有難う御座いました。
素敵な映画時間を、お過ごし下さい。